小高い丘のその上で
私は独り風を聞く
緑は遠く秋を呼び
森は空へと炎を燃やす
独り月夜の晩に木の下で
出会った夢は儚く脆く
木々の匂いを肺いっぱいに吸い
その届かぬ夢に走り出す
風に誘われ空高く
見える景色は継ぎ接ぎだらけの心の街
森は優しくその街包み
木々は静かに空を仰ぐ
夢追いかけて気付いた事は
在りし日の無垢な私とそれを見る冷めた目の私
私はそれでも私の道を歩く
風は風の道を飛ぶ様に
只 それだけの事なのに
森の匂いは色濃くしっとりと
まとわりついている
月夜の晩のあの夢は
いつしか森の匂いと風をまとい
私の三歩先を歩き続けている
それは夢果てぬ
大きな私の森の中で