◎夢

       (夢を甦らせし
        冬景色)
遠くの鳥が涕いている
凍て付く風も涕いている
泪も何時しか涕いている

炬燵の隅で涕く夢は
ここはどこ?
ここはどこ?
と言っている

雪はちらちら舞い降りて
小さな屋根に布団を被せ

(忘れ給うな私の夢よ
 炎の如く目覚め給えこの冬の夜に
 お前の死床はここにない
 あるのは独りの長き道なり)

私のまだ目覚めん夢は
炬燵の隅で
ここはどこ?
ここはどこ?
と涕いている

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