◎龍

哮た昨日を取り戻すために (あるいは 私 の十億年)
私は龍になった

ごお ごお ごお
風が私の泪の音色
風を吐き出したのは私のためでなく
明日の私を包むため    (あるいは 龍 の十億年)

空に鳴り響いた
龍玉弾ける音
誰が鏃を私に向けられるのか

地上を捨て
人を捨て
心を求めていたのは
優しさを欲していたからではなく
厳しさを欲していたからではなく
私の中の抑えられない
私を抑えるため
いや
私が私を信じるため

(あるいは 私の叫び や
      龍の悲しみ の
 十 ・ 億 ・ 年)

哮た昨日を取り戻すために
私は龍になった

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