流怜寥梨をかじりながら
海の上を滑る船を
見ていた
健やかに風が育つ
海の上を
私は両手を広げ
飛んでみたい
あの揺らぎの裏に
天国や幸福が
踊っているのだろう きっと
流怜寥梨をかじりながら
ふと思った
手に届かないのが
美しく見える法則らしい
あの蜃気楼は
朝から晩まで
蜃気楼を見ていた
(船はついに消える
私の心をかっさらって
雲は交叉する
幸せと言う船の間に)
そう潮騒が耳の奥で唄ってる
何をしているのだと
流怜寥梨が笑ってる
私の手の中で
流怜寥梨 = りゅうれいりょうり = 如月の造語で空想上の梨の名前