一応生きている。
空は何時でも流れる魚達だった。
髪はざんばら。
煙草の匂いがやけに懐かしい。
喰えるものは口に入れた。
通り過ぎる猫が笑う。
夢が何時しか歩くだけの長い道に変わった。
男だった。
女だった。
どちらでもよかった。
陰は光を超えて味を忘れた鯛の生け作りに会った。
日本人かも いやいや
一匹の獣。
風が止まる。
死を決意したのは五日前。
決行は昨日だった。
やたらと鎧が体に食い込む。
武者かも いやいや
性をなくした一匹の獣。
犬が二足歩行。
夢だ。
いやはや夢だった。
刀は今日も涕いている。
男だった。
女だった。
刀は死んでいる。
死を決意したのは五日前。
決行は昨日だった。
一応生きている。
武者やら男やら女やら日本人やら性をなくした獣やらを
背負いながら。
そして私は修羅になる。