◎詩が生み出されるまでの
      過程の虚偽と後悔と

田楽芋の悔恨が叫ぶ。
俄かに天気が満場一致。
微かに笑う驚愕の甘え。
何も生み出せない焦りがただの言い訳に変わる時
命も思考も怠惰に濁っていく。
突発的に涕いたのは火。
情緒的に弾けたのは水。
詩的に論議に淡い夢。
声をかけたいのなら晩餐会の後で。
出てくる有象無象の落花生。
逃げの一手はただの王手。
お前が感じている昂揚感に
今日もまた薄い悲しみを振り掛けたいのか。
午前様午後様お日様欄外。
凍えてしまった自己防衛本能。
核爆弾が染み渡る今日この頃
皆様の如何ともし難い欲情ばかりが
今宵の寝床に灯りを灯す。
ああ 殺ってしまった悲しみに今日も嘘が降り積もる。
ああ 知ってしまった快楽に今日も愛欲が纏わりついて。
聞こえるのか?
聞こえるならこの屈折なる滑り台に猪突猛進せよ。
我が忌み子の由来を秘密に今開示。
ややあってややあってそうして狂え。
奇跡にばかり囚われて生きる意味から目を逸らす。
目を逸らすばかりに囚われて死ぬ事だけに目を凝らす。
生と死の華やかな中間模試に満点の徒花を。
猫が笑う。
唐突に下卑た笑い。
だからそうやって炭酸に蜂蜜ばかりを加えるな。
股旅の魅惑に吐露した過去の屈折率。
誤差が出る度に逃げ回る。
羅刹。
刀。
血。
今叫んで帰ってくる山彦に
少しだけ願望が混じっているのを知っているか?
答えに二重に鍵をかけたのは月が紅い所為。
何が聞きたい?
何が知りたい?
狂った木魚の戯言ばかりなのに。
信じるのなら向かい酒を。
裏切るのなら那須与一を。
唸る矢尻に螺旋の時間の定理を。
聞こえがたい嘘と
聞きたくない真実の狭間で
やはり何も見えない盲目の
激しく奏でる破けた答えの響きと
涕く世代の怨念と
少しの塩加減が嬉しいではないか。
食え。
食え。
日が沈む前の日が明ける狭間の揺らぎの速さで。
何も見えないなら何も見なければ良い。
純白な嘘を抱いて今日も叫ぶ。
純白な裏切りを抱いて今日も叫ぶ。
ただの思考の模倣。
ただ腐り始めた我の介護録。

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