◎赤月

赤い月が笑ってた
  心の人の真実を知った時
  唯呆然と立ち竦む俺を
赤い月が笑ってた
  お前にゃもったいない女と
  言っているかの様に
赤い月が笑ってた
  心に穴が開いた俺を
  心の支えが消えた俺を
  悲しみと絶望に
  舐めまわされた俺を
赤い月が笑ってた
  迷っていた生き甲斐の
  第一歩が悲しみの詩だと
赤い月が笑ってた
  救いようのねえ 哀れな
  いつも高望みをする俺を
赤い月が笑ってた
  お前はその程度の男だと
赤い月が笑ってた
  もう手遅れだと言い
  群生の雲に
  喰われながら

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