◎紫の鈴

君が渡した
紫の鈴を私は
まだ投げられずにいる

いまだ鳴る事のない
君の鈴が私の泪の雫で曇っている

捨てようと
海に行き 山に行き
そのたびに悲しく輝くのだ
埋もれゆく君との記憶達と共に
呪われた鈴が

今だ消えずして輝く記憶達よ
早く 早く消えよ
心から 軽くなりたい

そう願えば願うほど
怪しく紫に輝く
その鈴を
君が渡した
紫の鈴を私は
まだ投げられずにいる

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