爛れながら醜く
絡め取るような
それでいて溶かすような
呆けな愛を
君は何時も 稚児の様な体で 弱弱しく痩せた手で
少し笑いながら渡すんだね
胃薬を何錠も体に入れた
もう数え切れないよ
血液が ほら こんなに薬臭い
あまりにも天使に似て
何にも知らない 世間知らずな
(そこに悪意は無いのだろうけれど…)
純粋な熱い塊を
――君は それは 本能だと言う
――または芸術のようだ 詩のようだとも言う
そう目で訴えながら
無造作に こちらに心構えをさせずに
矢鱈にぶつけてくるんだ
痛いくらいに……
私の愛など 及びもつかないような
幻想的な 陰鬱的な 秘密な場所で精製して
私をゆっくりと締め上げてゆく
薬臭い血を吐きながら思う
私は確かに幸せの方向がずれてきていると
しかし君は 君のいる場所は
何故か心地よい
胃がこんなに爆発していると言うのに…