◎江戸女

立てば 石楠花
座れば 牡丹
歩く姿は 百合の華

近づけば 白檀
触れれば 伽羅香
寄り添い匂うは 甘美香

抱けば 娼婦
話せば 蘭学者
笑った姿は 天女様

会いたいと慕えば
交されて
雑に扱えば
纏わられ

硝子細工の心模様
秋の空 君は空

走る姿は 麒麟
眠る姿は 眠り猫
姿全てが 美の象徴

時に 花魁のような艶やかさ
時に 老婆のようなみすぼらしさ
見れば見る程
奇々怪々

そんな 貴女に
心 奪われて
私の心は 紙風船

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