麗しい情欲に彩られた世界で
貴女は惜しげもなく踊り明かす月夜の晩
ただ 美しかった
目を離し 視界に入る時はすでに
百花繚乱 艶やか徒花
愛の降り注ぐ街で 哀の滲み出る街で
貴女は 激しく 強く 艶っぽく
異国の韻律を 髪 肌 胸 腰 汗で表し
まどろむ金糸鳥
歌を忘れた 訳じゃなく
貴女の その美しさに心乱され
歌を歌い忘れただけ
広がる炎は空を焦がし
貴女の腰は激しく揺れて
飛び散る汗には 淫靡よりも爽快感
首筋に纏わる汗と髪
香しい舞 香しい歌声
生まれ重ねた命の時間の少ない事を
何故 恥じる事があろうか
今 今宵 この瞬間が
貴女が最高潮に華開く瞬間
肉体美 肉欲美
内面美 内欲美
嗚呼 誰が貴女を汚せるものか
嗚呼 私は唯の賛嘆者
最高の炎に最高の闇に最高の韻律に最高の貴女
貴女の声と汗が世界の全てを包む