◎上弦の月

満ち始める昨日の調べ
流れ始める朝焼けの喜び
嗚呼 ただ光を
光を待ちわびた

貴女は感じる
安住の地と言う優しさよりも
そこに埋まっていく優しい
生命に

何もかも知ろうとする心を悦び
何もかも知ろうとする眼の輝き

ただ溢れていく重力と心の引力に
白い潮風に導かれて
ゆったりゆったりと
歩いてゆく 高まってゆく

光がどんどん溢れて行き
貴女は白々と明け始める天体に
するりと
包まれて

ゆらゆらと
ゆらゆらと

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