得よう得ようと
愛を求める私達は
なかなか求むべき愛に近付けなくて…
泪を飲んだ夕暮れ
優しさに気付いた明け方
すれ違いばかりの昼間
そうやって盛んに心は
解れて軟いで
収まるべき人の器に乗っかって
微笑ましい笑顔やら悲しみを
終わりの無い物語の膨大な台本に
一つ一つ 書き記していく
愛を求めながら
時に 傷付けあって
時に 笑いあって
時に 泪を呑んで
同一の痛みやら悲しみやら満たされた瞬間を
味わって生きているのに
何時まで経っても確かな愛の道標が
生まれてこないのは
きっと
きっと
同じ過ちを繰り返して
細かな想い 受け継がれる愛憎に
抗えないから
同じ血の色の同じ種族で
確かな感情と厳かな魂を持つ私達は
求めすぎるその性格の代償に
盲目の目と盲目の心を与えられ
ただただ得よう得ようと
愛を求めなかなか求むべき愛に
近付けない…
さあ 愛を求める血族達よ
恐れるな 今 その決意や一歩が
朗らかな未来を
指し示してくれているのだから