貴女は抱くの
醜い私の深い内側まで
そうして そっと
私の一番弱い部分に接吻して舐めて
笑って去るの
私は何時も置いてけぼり
私は何時も置いてけぼり
貴女の香水が私の鼻腔を弄る時には
どうしようもなく喉の渇きが襲ってきて
貴女の秘密な汗を嗅いで
心の液体を舌に這わせる
何遍も何遍も
愛を語っては
その度に時間が止まるから
私の貴女への熱い思いは
なかなか歳を取らず
熱いままで熱いままで
ときめかせる
貴女は抱くの
醜い私の表面も
私は避けたいけど
貴女はどうしても抱くの
滴る汗の道筋を
小説を読むが如くに
私は貴女に包まれて
貴女は私を知らない秘密の場所に連れてって
忘れかけてる優しい墓標に 導いて
命の鉄分子を白金に変え
笑って去るの
私は何時も置いてけぼり
私は何時も置いてけぼり