貴女の匂いを 嗅ぎました 貴女がいるはずも無い 街角で 一瞬にして 過去に心は飛ばされて 貴女と並んで歩く私や 貴女と笑っている私や 貴女にさよならを言っている 沢山の私を 私は擦り抜けて 少しだけ そう少しだけ 胸が痛みました 傷はすでに 消えているのに まだ貴女は 夏の蝶の様にいろいろな華の蜜を 味見して飛びまわって いるのでしょうか かろやかに かろやかに 貴女の匂いを 嗅ぎました 貴女がいるはずも無い 街角で
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