◎素敵な時間

窮屈な平日から開放される週末に
洋酒と木目菓子を用意して
貴女の階段を駆け上がる足音を
今か今かと待ちわびて過ごす

私の部屋に貴女が上がると
黒ずんだ雰囲気の部屋があっという間に
明るくなって
ごみ屑さえも光り輝く

待ってたよ
(遅くなってごめんね)
遠かったでしょう
(ううんおもしろい看板また見つけたよ)
さぁ座って
(足が棒になった)
冷たいもの飲むかい?
(どうしようかな)
それともお菓子?
(あ、その前に)

何気ない会話が何気なく暖かくて
薄らと泪が溢れる
貴女はそんな私を見て
いつものように 微笑む

(ただいま)

と言いながら

窮屈な平日から開放される週末に
貴女と笑いあえる幸せ
大袈裟に抱き合うこともなく
熱烈な口付けを交わす事もなく
ただ 一言
私は言う

おかえりなさい

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