大きな大きな鍋を用意しましょう
そこに
お椀一杯分の優しさを流し込み
命と言う名の火で少し温めめていきましょう
ゆっくりとゆっくりと
そう焦げ付かない様に
そしたら
微量の我が侭と適度な後悔と
微量の嫉妬と適度な熱い抱擁と
極々微量な痴話喧嘩と
適量の体温を加えていきましょう
少しずつ少しずつ
本来の味を損なわない位に
そして
ゆっくりと時間をかけ
しっくりと煮詰めていきましょう
二人の時間と言う名のとろ火で
けれど絶対に
混ぜる手を止めないで
例え汗が目に入っても
するとどうでしょう
大きな鍋には似合わない
少量の しかし 凝縮された
求め合う心になるでしょう
そしたら後は何もせず
寝かせましょう
時間を忘れて心が震えるまで
時間を忘れて求め合うまで
すると 何時の間にか
大きな鍋には溢れんばかりの
愛ができる事でしょう
そしたら 二人の綺麗な皿に盛りつけて
たんと召し上がれ
二人の心が固く固く結びつくように