静かに貴女の肩を抱いた
それだけなのに
何故か一人になりたくないと
意味も無く思えた
こんな心に貴女は静かに侵食していって
戸惑う心に貴女は優しく触れてきて
静かに貴女の髪を触った
それだけなのに
何故かもう寂しい想いはしたくないと
切に願っていた
これが弱くなるという事なら
喜んで受け入れよう
これが盲目になる誘いなら
喜んで楽しもう
愛していると言う言葉よりも
ただ傍にいて欲しい
もっと見詰めてと言う言葉よりも
ただ手を繋いで欲しい
静かに貴女を抱いた
(そうあれは星が眠りに就いた綺麗な夜だった)
静かに貴女を抱いた
(そうあれは月が光る事を忘れていた綺麗な夜だった)
そう それだけなのに
何故か私の心臓は
貴女の心臓の中に入ってしまって
もう貴女を失っては
ただの躯になるだけなんだと
素直に感じた
静かに私は私を抱きしめた
そこには貴女を求める
小さな命が震えていた