貴女は流れるでしょうか?
この秋風に乗って
私は見つかるでしょうか?
まだ見ぬ貴女の笑顔を
緩やかに流れる時間の
不意に薫る 金木犀
その中にその中に
出会うであろう貴女の
面影浮かべる優しい匂いに
寂しい心は 何時までも
迷い子の様な手で
貴女の座る椅子ばかり探すけれど
触れる感触
全てが陽炎 落ち葉の旋風
(ややあって ややあって)
(寂しい気持ちは秋の所為
いえいえ それはただのゆめまぼろし
寝る時に抱きしめる空虚は
何時かは抱きしめる
貴女の体温)
貴女は気付いているでしょうか?
この秋風の先 蹲る私の未来
私は届ける事ができるでしょうか?
まだ見ぬ貴女の人生に
とうとうと とうとうと
秋風眺める侘びしい日向射す縁側で
眠り続ける小さな恋心