貴女は恋をした
誰かを見るその横顔は
とても綺麗で
私の片恋は
静かに終わりを告げる
春だった(貴女の中では)
冬だった(私の中では)
貴女はどんどん綺麗になって
丸みを帯びた少女の線が
ゆっくりと女性の線になっていく
貴女は知らない (私の想いを)
貴女は知らない (私の憂いを)
貴女はどんどん光り輝いて
今では私 傍に近づけない
その髪も艶やかに潤って
瞳も静かにきらきらで
歩く姿も穏やかに
香る匂いは少し厳かに
私は手を伸ばし
伸ばしかけた手を止めた
それが貴女の幸せになるならと
目を逸らした瞬間に貴女は
綺麗になっていく
愛する誰かを見詰める度に
素敵な華を咲かせるのでしょう
止めど無く溢れる想いと共に
それはまるで
春を待つ桜の蕾が
少しずつ芽吹く様に
そして満開の華を咲かせるのでしょう
私の知らない誰かの元で
私の事を知らないままに
貴女は恋をした
満開の華を咲かせる様に
貴女は恋をした
私は静かに幸せを願う