捨てたい過去を
拾って大切に抱えてくれたのは
移ろい行くことなく
私を見詰め続ける
貴女と貴女の眼差しでした
まるで雨に打たれた少年を
優しく優しく導いてくれる
大いなる母のような愛で
戸惑う私を抱きしめた
しっかりと確実に
貴女の体温を感じられる程
強く優しく
私は今まで与えられた愛の中で
こんなに温かくそして
目に見えて私の頬を赤く染めたのは
後にも先にも
貴女の愛だけでした
だから
失いたくないと
体の奥底から願った
そして
何時にもまして
強く目を閉じ
貴女の笑顔を瞼の裏に
焼き付けた
忘れたい過去を
それもあなたの一部と言って
抱きしめてくれた
優しい貴女
どうか今日も明日も明後日も
私を静かに抱きしめながら
何時までも何時までも
微笑んでいておくれ
私は貴女の微笑が守れるなら
どんな姿形に私が変わっても
守れると誓えるから
捨てたい過去と
忘れたい過去を
抱きしめてくれたのは
後にも先にも
貴女だけでした