腿に垂らした赤酒の行方
艶やかに乾き始める頃
肌蹴た胸元から滲ませる策略
時間と美貌を撓やかな腰の線に任せて
今宵も夢を鎖骨で啜るのか
温い光を体に灯すは
悪の象徴と嫉妬の権化
赤々と伸びる舌に絡める
嘘偽りの正直を塒の中で育て上げた
見た目は変温だけど心は恒温で
いつも獲物を見詰める眼は
氷の様で
艶消しの様で
見栄も偽りも
女を何処までも上限無く
孤高の存在へと押しやってしまうのなら
なんとも気高き女優だと
なんとも小汚い愚者だと
感じずにはいられない
螺旋の細胞から
今宵も艶美な酒の呷りと
今宵も淫靡な舌舐め擦りの快音の出し方を
延々と続く輪廻の砂時計に併せて
命令が止めど無く溢れ
酔っては巻き付き
しくじっては酒に溺れ
内股を紅く火照る色に染め
冷たい眼差しを潤ませる頃
ようやっと
裸体は静まり欲望は黙り
女の性が素直に咲き乱れ
ようやっと
求めるべき杯 収まるべき洞を見つけ
ようやっと
愛すべき世界の中で寝息を立てる
例えそれが偽りに用意された
座敷牢だったとしても
今宵も赤酒と蛇の誘惑な
匂いを髪に染み込ませて女は
一芝居楽しく演技する
まるで女優の様に
まるで喜劇役者の様に