さらさら流れた
釉薬な世界で優しい二人
まどろむ深夜
さらさら流れた
上澄な時間で寂しい二人
湿気込む深夜
何処までも何処までも
夜はほど遠いほど妖しいから
生命の発汗ばかり
厳しく煌き
さらさら流れた
さらさら流れた
二人の雫
見えぬほど良い
伽藍の糜爛
流れ流れた
世界は麗し
(それは愛の虚構なのか)
流れ流れた
時間は香し
(それは愛の幻想なのか)
流れ流れた
二人は香具師
さらさら流れ
流れ流れた二人の日々は
何処までも何処までも
釉薬な世界で
上澄な時間で
輝き給うな愛の日々
世界は静かに
焼き上げる