◎寝床に着く前に

夜風に響く鳥の声
今日も独り取り残された
纏わり付くは
今朝見た赤い星

硝子に付いた雨粒に
重ねて見たのは
夢か愛か

遠くに人の寝息が聞こえる
独り傾ける酒の遊戯

眠る前に願う
夢物語ばかり目に付いて
気持ちは何時までも
彷徨っている
枯れ果てた寝床の上で

視界に感じる
見えない世界に手を合わせ
矛盾ばかりの毎日を
苦虫が潰した様な
瞳の色になっていくのが
どうしても許せなくて
枯れ果てた寝床に
静かに拳を打ちつける

止まらない孤独に
気持ち敬礼気味に会釈する
何も変わらない昨夜に
泪を零す事も
忘れてる

生きている
脈打つ心の臓を掌で愛撫する
弾かれた鼓動に
唯 安堵を覚えた

白布に包まりながら
明日は明るい筈と
言い聞かせ眠る

そこに安眠は薄いとしても
そこに安息は薄いとしても

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