◎鏡に映る真

鏡を見て哂う
何かおかしいわけじゃない
ただ鏡に映って見える
その木偶の坊の姿が
妙におかしいのだ

哀れと言うか
道化と言うか
とても珍妙でとても滑稽で

年とともに感じる
腐敗と言う名の錆が
否応でも哂いを誘うのだ

深夜
ただ鏡の前に立つ
そして問われるのだ
その木偶の坊に

お前の未来はこれなのか
お前の夢はこの程度なのか


鏡を見て哂う
ふと そんな事をしながら
傾けた洋酒に笑われた

ただ時が徐に
流れてしまっただけだ
今はそう
思っていたい

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