鏡を見て哂う
何かおかしいわけじゃない
ただ鏡に映って見える
その木偶の坊の姿が
妙におかしいのだ
哀れと言うか
道化と言うか
とても珍妙でとても滑稽で
年とともに感じる
腐敗と言う名の錆が
否応でも哂いを誘うのだ
深夜
ただ鏡の前に立つ
そして問われるのだ
その木偶の坊に
お前の未来はこれなのか
お前の夢はこの程度なのか
と
鏡を見て哂う
ふと そんな事をしながら
傾けた洋酒に笑われた
ただ時が徐に
流れてしまっただけだ
今はそう
思っていたい