■離陸
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1. |
カウルフラップの規正
カウルフラップとはエンジンカウリングの後部・全周部にあるスカートの部分です。環型フラップ開放操作はパイロットから見て右側側部にある小型のハンドルを回します。地上滑走にて開度を設定していますので、再度確認をします。
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2. |
プロペラ、ピッチの確認
プロペラの回転に異常がないか、また、プロペラのピッチ角度がプロペラ最低ピッチ、つまりプロペラピッチ角は24°となっているか確認します。
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3. |
若干直線滑走
直線走行で滑走します。
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4. |
ブースト圧プラス50mm又はマイナス50mm
98式吸入圧力計(13)にてブースト圧がプラス50mm又はマイナス50mmの範囲に収まっていることを確認しますメータは×10倍表示ですので、この場合は目盛+5〜-5までの表示になります。
吸入圧力計は与圧器があるエンジンの吸入管内における混合ガスの絶対圧力を測定する計器です。
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5. |
回転数2,400
エンジンの回転数について100式回転計(12)が2,400になるまで瓦斯槓桿(23)を手前に引いてエンジンをふかします。
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6. |
速度110km
対機速度が110kmとなるよう98式速度計(19)を見て、瓦斯槓桿(23)を調整します。
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■上昇
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1. |
ブースト圧プラス50mm
98式吸入圧力計(13)にてブースト圧がプラス50mmとなっていることを確認します。メータは×10倍表示ですので、この場合は目盛+5の表示になります。
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2. |
エンジン回転数2,400
エンジンの回転数は100式回転計(12)にて2,400を維持します。
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3. |
速度180km
対機速度が180kmとなるよう98式速度計(19)を見て、瓦斯槓桿(23)を調整します。
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4. |
脚「上」げ
主脚を上げます。図にはありませんが、パイロットから見て左下に主脚の上げ下ろし用のレバーがあります。主脚の出し入れについては油圧動作となっており、手前に引くと“上ゲ”押すと“下ゲ”になります。離陸の場合には手前に引くことなります。
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5. |
安全鍵「上」
主脚の安全鍵を上とします。
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6. |
上下用切替コック「上」
主脚上下用切替コックを上にします。
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7. |
標示燈「赤」
脚信号燈(24)が「赤」と点燈していること。また、脚翼下圧力計(11)が60kgとなっていることを確認。
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8. |
切替「コック」中立
切替コックを「中立」とする。
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9. |
連続上昇230km付近
連続上昇。対機速度は230km付近とする。
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10. |
各種計測器
各種計器類を確認し正常範囲内であるか否か確認する。
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■降下
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1. |
降下
操縦桿(33)を押し瓦斯槓桿(23)を調整し降下します。対機速度は250km〜300kmとします。
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2. |
高空槓桿(30)を全開にします。
高空槓桿(30)を全開にします。全開とはエンジン操作装置(高空槓桿があるボックス)に“常時”の文字ステンシルが張られている方向でパイロットから見ると手前に引くことになります。離陸、上昇、空中戦闘時には燃料は濃く(リッチ)します。
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3. |
カウルフラップの規正
カウルフラップとはエンジンカウリングの後部・全周部にあるスカートの部分です。環型フラップ開放操作はパイロットから見て右側側部にある小型のハンドルを回します。地上滑走にて開度を設定していますので、再度確認をします。
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4. |
他機、および吹流しに注意
他の機が飛行場の上空を飛行していないか、離着陸はないか、あるいは飛行場に設置してある吹流しで風の強さ、方向を確認し、着陸時の進入方向等を確認します。
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5. |
気筒温度計(20)を確認
気筒温度計(20)は空冷式エンジンにあってエンジンの気筒の温度を測定します。受感部は熱電対となっており、プラグの近くに差込固定されるものです。180°が理想ですが±100°の範囲にあれば問題はありません(×100倍)。
図で判るとおり下部にエボナイト製のセレクターが付いており、“1”、“2”が選択可能ですが、これは2気筒分の測定を可能としているためです。
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6. |
瓦斯槓桿(23)操作、点検
瓦斯槓桿(23)を操作しスロットルの絞り、あるいは空けることで緊急時に対応可能か確認します。全開するにはパイロットから見ると最も手前に引くことになります。閉めるには逆に押すことになります。
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着陸
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1. |
発動機の回転1,800回転、速度150km
瓦斯槓桿(23)を操作し100式回転計(12)でエンジンの回転を1,800回転まで落とします。速度計を確認し150kmを維持します。
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2. |
天蓋開
天蓋つまりキャノピーを空け明瞭な全天視界を確保します。
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3. |
脚「下」
主脚を下げます。図にはありませんが、パイロットから見て左下に主脚の上げ下ろし用のレバーがあります。主脚の出し入れについては油圧動作となっており、手前に引くと“上ゲ”押すと“下ゲ”になります。着陸の場合には押すことなります。
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4. |
安全鍵「下」
主脚の安全鍵を下にします。
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5. |
「上下」用切替「コック」下
「上下」用切替「コック」を下とします。
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6. |
標示燈「青」
脚信号燈(24)が「青」(右側)に点燈していること。
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7. |
標示棒点検
翼を見て脚昇降標識が出ているか確認します。脚昇降標識とは主脚が出ていると主脚の支点からピョコっと出ている棒のようなもので赤色に着色されており、機械的に主脚と連動しており確実に出ているか否か確認することが出来ます。当時の単座機には共通の機能となり、精密なプラモデルでも再現されている機能です。
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8. |
前機能不良の場合の応急対応
主脚は油圧動作なので主脚が出ない場合には図にはありませんがパイロットの左側、主脚起動レバーの近くにいn主脚応急レバーがあり、それをパイロットから見て押します。安全鍵カムが動作し脚が出ます。
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10. |
下げ翼を出します
蝶型下げ翼つまり空戦フラップが操縦桿の押釦開閉器(26)もしくは配電盤スイッチにより出の状態にします。その際の対機速度は160kmとなります。
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11. |
進入降下
飛行場の滑走路に向かってアプローチします。吹流しから向かい風になるような滑走路として対機速度は140kmとなるようにします。
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12. |
接地点確認
接地点を確認します。
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13. |
接地前速度130km
最終アプローチを行い、接地点での対機速度は130kmとします。
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14. |
滑走下げ翼「上」
接地し地上滑走に移った場合には蝶型下げ翼つまり空戦フラップを操縦桿の押釦開閉器(26)もしくは配電盤スイッチにより“上ゲ”の状態とします。
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15. |
防塵網の操作
図には出ていませんが瓦斯槓桿(23)の傍に(パイロットから見て左側)に防塵覆槓桿(レバー)があります。それを手前に引くと“閉”押し出すと“開”となります。コンクリの滑走路の場合や上空では閉で良いのですが板敷や整地されていない滑走路の場合には開とします。
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16. |
安全バンド外し前後左右注意
安全バンドは座席の腰掛部に固定された幅数センチ、2穴式の皮ベルトで、自動車でいえば後部座席の安全ベルトの構造によく似ています。
この安全ベルトを外して立ち上がり開放してるキャノピから前後左右の安全を確認します。
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17. |
準備線付近滑走機付馳歩速度
滑走路から駐機場溜りまで自機を誘導しますが、駐機場近くでは駈足程度の速度まで落とします。
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18. |
滑走停止車輪止
駐機位置まで着いたら機付兵に車輪止めをしてもらいます。
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19. |
運転停止
ここでは詳細について省略しますが冷機運転、プロペラ最高ピッチ等運転停止に係る操作を行います。
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